税理士との顧問契約を締結するにあたり、その報酬は契約書等で双方合意の上で、契約が開始されますが、場合によっては合意した後に追加料金が発生することがあります
どのような場合に発生するのか、また思いもよらない追加料金の発生を防ぐには、どのような点に注意をすれば良いのでしょうか。詳しくご紹介していきます。
税理士契約の基本
税理士との顧問契約は、月次報酬〇万円や決算報酬〇万円といった、月単位や作業単位での決まった額を報酬とするものが基本的な契約体系です。
月次報酬は月単位での会計処理を締めることを目的とした報酬、決算報酬は月単位での会計処理を締めたうえで決算を行うことを目的とした報酬、という区分で料金体系を提示する場合が多いです。
追加料金が発生しやすいケースと
具体例
上記のように、月次報酬〇万円という契約を結ぶため、月によっての税理士の作業量の多少の増減では、追加料金の発生及び料金の値引きはありません。
しかしサブスクリプションのサービスとは異なるため、月次報酬〇万円と合意した際に依頼した作業量よりも、明らかに増加をした場合には、追加料金が発生する可能性が高くなります。
動画視聴のサブスクリプションのサービスでは、月々に支払う同額の金額内で、公開されている動画数の数をサービス提供者側が定めています。
視聴者側が視聴動画数を増やしても、提供するサービスには増減がなく、視聴するにあたり必要な光熱費等は視聴者側の負担です。
一方で、税理士の月次報酬は、月々に支払う金額は同額であるという点ではサブスクリプションサービスと同じですが、顧客からの依頼が増えるごとに税理士の作業が増えるため、提供するサービスが増加するという点が異なります。
月次報酬〇万円と合意した際に依頼した作業量よりも、明らかに増加をした場合、とは、下記のようなものが挙げられます。
①記帳をする仕訳の本数が契約時よりも
明らかに増加をした場合
月次報酬に記帳代行が含まれている場合、この報酬額は記帳をする仕訳の本数や会社の規模によって増減します。
記帳をする仕訳の本数の量は、その記帳代行者の作業時間の推定に直結をするものです。また会社の規模が大きいほど、一般的には仕訳の本数が多くなります。
契約締結時に顧客が依頼をしたおおよその仕訳の本数よりも明らかに増加をした場合、例えば記帳すべき通帳の存在を契約締結時に税理士に伝え忘れた場合や、会社が急成長して想定していなかった仕訳の本数になった場合等には、追加料金が発生しやすくなります。
②税務相談時間が契約時よりも明らかに
増加をした場合
月次報酬に税務相談が含まれている場合、この報酬額は税務相談の時間や内容によって増減します。
契約締結時に顧客が依頼した業務内容に変更が生じ、想定をしていた税務相談の時間よりも明らかに増加をした場合、例えば顧客の経理担当者が退職し、新任の経理担当者に税理士側が業務を教える必要が発生した場合、会社の成長に伴い複雑な試算を用いて経営判断を行いたい場合等には、追加料金が発生しやすくなります。
③月次報酬に含まれていない作業を
依頼した場合
月次報酬に含まれていない作業を依頼した場合、契約外の作業であるため、追加料金が発生しやすくなります。
給与計算や社会保険の手続き、年末調整といった人を雇用する会社であれば定期的に必須となる作業や、補助金の申請や業界分析といった都度必要となる作業等を、契約締結時に顧客が依頼をしていない場合は、追加料金が発生しやすくなります。
追加料金の発生を防ぐには
会社が資金繰りを考えていく上で、追加料金の発生はできるだけ避けたいものです。追加料金の発生を防ぐには、下記のようなことに留意をすることが必要です。
①契約締結時に現状の依頼内容を正確に
伝える
依頼する業務量によって報酬が増減しますが、依頼する業務量を少なめに伝えることは、追加料金の発生につながりやすく、避けた方が良いでしょう。
故意でなくとも、記帳すべき通帳の存在を契約締結時に税理士に伝え忘れること等がないように、会計に関する現状をあらかじめ網羅しておくことが大切です。
②契約締結時に会社の展望を伝える
契約締結時には、まだ税理士との関係性が構築されておらず、展望を伝えることに抵抗があると考える会社がありますが、どのような対応が必要そうになるかを税理士が判断し、月次報酬を定めるにおいては、重要な情報です。
税理士が想定していなかった会社の動向により作業量が増えることは、追加料金の発生につながりやすいため、それを防ぐには、多くの情報をあらかじめ伝えておくことが大切です。
③契約内容をよく確認する
月次報酬〇万円と定めた場合、その〇万円には具体的にどの業務を依頼したのか確認をするようにしましょう。
一般的に月次報酬は月単位での会計処理を締めることを目的とした報酬ですが、締めるために必要な月々の給与計算や、締めた後の経営分析やアドバイスは含まれているのか等、追加料金の発生を防ぐためには、詳細なすり合わせが大切です。
新しく事業を始めた会社では、会社運営に必要な業務が把握できず、契約時に依頼をすることを失念してしまう場合があります。個々の業務について熟知する必要はありませんが、必要な業務の項目だけでも把握して契約に臨むと良いでしょう。
④税理士への相談内容を考える
月次報酬に税務相談が含まれている場合、どこまでがその金額に含まれる税務相談か、というのは具体的に時間数を定めている税理士を除き、非常に曖昧なことが多いです。
気軽にどのようなことでも相談のできる税理士、というのは非常に良好な関係ですが、会社運営とは全く関係のない雑談を何時間もするというのは、追加料金の発生を防ぐ上では、避けた方が良いでしょう。
また、高度な税務判断が必要となる相談は、追加料金が発生する場合が多いです。こちらについては、専門家の意見をきくという点で非常に有効ですので、追加料金が発生しても、相談をすべきことであるといえます。
まとめ
税理士契約で追加料金が発生しやすいケースとは、契約時に想定していた業務量よりも、顧客が求める業務量や税務知識が必要となる場合です。
追加料金の発生を防ぐためには、月次報酬や決算報酬を定める際に、税理士との入念な契約内容の確認が必要です。
追加料金が発生した場合には、その発生した理由を確認し、会社にとって必要な追加処理であれば、支払い円滑に作業を進めていくことも大切であることを念頭におきながら、税理士と交渉をすると良いでしょう。
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