医療機関の倒産、上半期は35件で過去最多を上回るペース　物価高・人件費の高騰で収益悪化

　2025年上半期（1-6月）の医療機関（病院・診療所・歯科医院）の倒産は35件となり、過去最多となった2024年（通年で64件）の上半期（34件）を上回った。内訳は「病院」が9件、「診療所」が12件、「歯科医院」が14件で、「病院」と「歯科医院」がそれぞれ過去最多（病院18件＝2007年、歯科医院27件＝2024年）に並ぶ水準で推移している。負債10億円以上の倒産は4件（すべて「病院」）発生しており、態様別では34件（構成比97.1％）が破産、都道府県別では北海道、東京、神奈川、奈良、兵庫、福岡（各3件）など18都道府県で発生した。

医療機関（病院・診療所・歯科医院）経営事業者の倒産件数

　医療機関の倒産が急増している背景に収益性の悪化がある。近年、医療機器の価格、人件費（残業代）、入院患者の給食費、光熱費などが高騰する一方、診療報酬はそれらの上昇分をまかなうにはほど遠いレベルで推移しているのが現状だ。また、診療所や歯科医院などの中小事業者においては、経営者の死亡や高齢化で事業継続が困難となる事業者が急増している。

　病院については、建物の老朽化がクローズアップされている。病院建物の法定耐用年数は39年とされているが、同年数を超えても、建設費高騰や資金難で新施設の建設ができずに事業存続危機に陥る施設が相次ぐのではないかという問題だ。帝国データバンクが病院を経営する全国5132事業者（法人のみ）の設立時期の分布を調べたところ、39年前にあたる1986年以前に設立されたのは全体53.4％となった。経営状態が悪化している医療機関は増加し続けており、このままのペースで推移すると、2025年の倒産件数は、はじめて70件に達する可能性がある。

出典：帝国データバンク


医療機関の倒産増加から学ぶ経営課題と『税理士 探し方』の重要性


【はじめに】
2025年上半期における医療機関の倒産件数が35件に達し、過去最多を記録した2024年の同時期を上回るペースで推移していることが明らかになりました。医療機関、特に中小の診療所や歯科医院の経営が厳しさを増している背景には、物価高騰、人件費の上昇、そして診療報酬の抑制という複合的な要因があります。
これは医療業界だけの話ではなく、他の中小企業や個人事業主にとっても共通する経営リスクです。本記事では、税理士としての視点から、なぜ医療機関の倒産が増えているのかを紐解き、そこから見えてくる「税理士 探し方」の重要性について解説していきます。

【1. 医療機関の倒産が増加する背景】
2025年上半期の倒産件数35件は、病院が9件、診療所12件、歯科医院14件という内訳です。病院については負債10億円以上の大型倒産も4件発生しており、経営破綻の規模も深刻化しています。
その原因のひとつが「収益性の悪化」です。診療報酬の引き上げが限定的である一方、医療機器、人件費、給食費、光熱費など、あらゆるコストが上昇しています。価格転嫁が難しい医療業界では、これが経営を圧迫する大きな要因となっています。

【2. 中小医療機関が直面する構造的リスク】
診療所や歯科医院などの小規模医療機関では、経営者の高齢化や後継者不在といった問題も倒産の引き金となっています。また、地方では患者数そのものが減少し、固定費の負担に耐えきれないケースも目立ちます。
加えて、病院施設の老朽化という新たな問題も表面化しています。耐用年数を超える建物が多く、改修や建て替えが必要でも、資金調達が困難なために経営が行き詰まるという事例が出てきています。

【3. 経営課題の可視化と税理士の役割】
こうした状況において、財務面からの的確な助言ができる税理士の存在が重要になります。税理士は単なる申告代行ではなく、財務の可視化、資金繰りの改善、補助金の活用、相続・事業承継の計画まで、経営全体を支援するパートナーです。
医療機関においても、税理士が財務諸表を分析し、赤字の原因を把握し、早期に対応策を講じることで倒産のリスクを大幅に下げることが可能です。

【4. 「税理士 探し方」のポイント】
医療機関経営者に限らず、すべての事業者が信頼できる税理士と出会うためには、以下の5つの視点が欠かせません：
① 業種特化の経験：医療業界に詳しい税理士か？
② 資金調達・補助金対応：公的支援制度の知識があるか？
③ 定期的な面談が可能か：経営状況の変化に応じたサポートをしてくれるか？
④ 節税・相続の知識：中長期的な視点でのアドバイスが得られるか？
⑤ コミュニケーションの相性：話しやすく、迅速に対応してくれるか？

【5. 税理士紹介サービスの活用】
「税理士 探し方」がわからないと感じている方には、専門のマッチングサービスの活用が有効です。たとえば「税理士パートナー」や「J-SHiEN」といったサービスは、地域や業種、経営規模などに合った税理士を無料で紹介してくれるため、忙しい経営者の大きな味方になります。

【6. 医療機関の倒産は他人事ではない】
今回の調査データは、医療業界特有の事情を含んでいますが、実は多くの中小企業にも通じる警鐘でもあります。物価高、人件費高騰、老朽化、後継者不在など、今後の日本の多くの企業が直面するであろう問題がすでに医療業界で顕在化しているのです。

【まとめ】
2025年上半期の医療機関倒産の急増は、経営者が抱える課題の複雑さと深刻さを浮き彫りにしました。経営を守るためには、早い段階で財務や経営の問題点を可視化し、戦略的に対応することが求められます。
そのためにこそ、「税理士 探し方」が極めて重要になります。業種や経営フェーズに適した税理士をパートナーにすることで、あなたの事業の未来は大きく変わります。今こそ、信頼できる税理士との出会いを真剣に考えるべきタイミングです。

2025年07月09日