皮膚に貼るだけで投薬できるシート開発

富士フイルム株式会社は、皮膚に貼るだけで薬剤を体内に届けることが

できる「マイクロニードルアレイ」を開発した。

新しいドラッグデリバリー手段として注目されている新技術を利用したもの。

「マイクロニードルアレイ」は、100～2000ミクロンの長さの微細な突起を

シート上に配した薬剤送達部材で、皮膚表面に貼ることで、突起部分から

薬剤を皮膚に浸透させ、体内に届けることができる。

突起部分は、皮膚に貼っても注射のような痛みを感じることはなく、

患部に薬剤を効率よく届けることもできるため、薬剤投与の

新しい手段と期待されている。

今回開発した「マイクロニードルアレイ」は、突起部分に注射剤成分として

使用実績のある多糖類などを使用しており、突起そのものが

数分以内に皮膚下で溶解し、突起中に充填された薬剤を体内に

届けることができる自己溶解タイプとなっている。

突起部分が体内で溶解しないタイプには、突起部分が折れて

体内に残る危険性があるのに対し、同製品は、突起そのものが

消失するため、高い安全性を実現しているという。

また、同製品は、写真フイルムの製造で培った精密加工技術などを

応用しており、突起の長さや形状を自由に設計することが

できるとともに、大量生産も可能となっている。

参考リンク

http://fujifilm.jp/

2012年11月14日