昨年度の税収７１兆円台、３年連続で最高更新し初の７０兆円超…「法人税収」伸びる

　２０２２年度の国の一般会計税収が７１兆円台となり、３年連続で過去最大を更新することが２８日、わかった。コロナ禍の影響が和らいで法人税収が伸び、物価の上昇に伴って消費税収も押し上げられた。税収が７０兆円を超えるのは初めてだ。これまでは２１年度の６７・０兆円が最大だった。

　毎年度の税収は、３月期決算企業の法人税などを計上した上で財務省が確定し、７月初めに発表する。財務省は、２２年１１月時点では６８・３兆円と見込んでいた。

　所得税と消費税、法人税の「基幹３税」の税収がいずれも増加した。所得税は、企業の賃上げで給与所得が増えたことが増収につながった。消費税は、食料品を中心とする物価の上昇や、個人消費の持ち直しが影響した。コロナ禍からの経済正常化や、円安が輸出企業に追い風となったことで企業業績が回復し、法人税収も大幅に増える見通しだ。

　税収の上振れにより、自民党内では防衛費の増額に伴う増税の先送りを求める声が一層強まりそうだ。政府は６月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針（骨太の方針）」でも、自民党内の声に配慮して従来は「２４年以降」としていた増税開始時期を「２５年以降も可能となるよう、柔軟に判断する」と先送りを示唆していた。

出典：読売新聞社

2022年度の国の一般会計税収が71兆円を超える見込みで過去最大となったことは、注目すべきポイントがあります。

まず、法人税収が伸びたことが大きな要因です。コロナ禍の影響が和らぎ、経済が回復したことで企業の業績も改善しました。それにより、企業の利益が増え、法人税収も増加したのです。税理士としては、企業の税務戦略を見直す機会となります。節税手法や経費の見直し、減価償却の最適化などを考える必要があります。

消費税収も上昇しました。物価の上昇や個人消費の回復が背景にあります。特に食料品の値上がりが顕著で、それが消費税収を押し上げたのです。税理士は、クライアントに対して消費税の計算や申告についてサポートする必要があります。税率適用や軽減税率の活用、複雑な取引に関するアドバイスなどが求められるでしょう。

所得税収も増加しました。企業の賃上げにより給与所得が増えたため、所得税の収入も増えたのです。税理士は、個人の所得税申告において適切な控除や節税手法を提案することで、クライアントの負担を軽減し、資産形成を支援する役割を果たすことができます。

なお、税収の上昇により、自民党内では防衛費増額に伴う増税の先送りを求める声が強まっています。政府も増税開始時期を柔軟に判断する姿勢を示しています。税理士としては、将来の増税に備えてクライアントに対して長期的な財務戦略や税務計画を立案する重要性が高まっています。

税収の増加は、企業や個人にとって税務上の負担が増える可能性を示しています。税理士は、クライアントの税務リスクを最小化し、節税や効果的な資金運用を支援することで、経営者や個人の財務面での安定と成長をサポートする役割を果たすべきです。