道や札幌市、観光業を緊急支援　対策費１億円や販促活動

　東日本大震災の影響で道内観光業が外国人を中心とした顧客激減に悩むなか、道と札幌市が相次ぎ緊急支援対策に乗り出す。道は2011年度の観光予算の内容を見直し、６月までの緊急対策費として１億円を捻出。札幌市も５月の大型連休明けに、市内のホテルや旅行会社と連携した道民向け誘客キャンペーンを始める。道内客や首都圏の避暑需要の開拓に取り組む観光業界を支える。

　道は今年秋冬の観光需要掘り起こしに用意していた予算１億円を前倒しで活用する。補正予算の編成が計画されている６月の定例道議会までの緊急対策と位置付け、道民の観光需要取り込みに7000万円、首都圏へのＰＲ活動に3000万円を振り分ける。

　５月中旬に具体策を決定する。テレビＣＭのほか、道内の観光地を巡るスタンプラリーなどを想定。観光のシーズンが本格化する７月以降の対策については、今後の補正予算案に盛り込む。

　札幌市は５月にも市内のホテルや旅行会社、バス会社など関係機関と連携したプロモーション活動を始める。まずは市内観光客の約半数を占める道民の需要喚起を狙う。夏場には避暑需要が高まりそうな首都圏へのＰＲ活動に力を入れていく。

　札幌市は５月にも震災対策の11年度補正予算案を編成する考えで、観光対策も盛り込む方針。また緊急対策については既存予算の組み替えも検討する。

2011年04月26日 日本経済新聞