ネットサービス会社、次々と海外進出中

　ネットサービス会社の海外展開に拍車がかかってきた。

　ＳＮＳ（ソーシャルネットワーキング・サービス）の「グリー」（東京都港区）は４月２２日、米国子会社を通じて、世界最大級のスマートフォン向けソーシャルゲーム・プラットホームを運営する「オープンフェイント（ＯＦ）」（米国）の株式を１００％取得し、子会社化する契約を結んだ。

　ＯＦのユーザーは全世界で約７５００万に及ぶという。グリーのユーザー２５０６万（３月末現在）と合わせ１億超を抱える、世界最大級のモバイル端末向けソーシャルプラットホームの構築を目指す。ソーシャルゲーム事業については、国内で提供中の自社ゲームに加え、今後、国内外で新規に開発するゲームの海外提供も進めるという。

　中国に向けて本格始動するのは、総合情報サイト「Ａｌｌ　Ａｂｏｕｔ」を運営する「オールアバウト」（東京都渋谷区）。思わず日本に来てみたくなるような観光やライフスタイルに加え、中国の都市圏に住む女性にアピールする日本のファッション、美容、子育て、教育などの情報を発信すべく、着々と準備を進めている。

　オールアバウトは「日本への留学経験など、日本語スキルの高い中国人をネットワークする現地企業と連携し、日本情報サイトを創設する」としている。

　台湾で海外進出の口火を切るのがニコニコ動画を運営する「ニワンゴ」（東京都渋谷区）だ。新サービスの発表会とアーティストのライブが一体になったイベント「ニコニコ大会議」を、５月２２日、台湾で行う。

　ニコニコ大会議は新サービスの発表会として始まったが、今ではニコ動で活躍するアーティストのライブパフォーマンスも合わせたイベントとなっている。「台湾向け全チケット１０００枚が発売開始１分で完売した。現地での期待感は高まっている」と勢いがいい。

　それぞれの海外展開。ネットでつながる楽しさ、リアルで共有する感動がますます広がりそうだ。

2011年05月02日 産経ニュース