マイクロソフト、スカイプを８５億ドルで買収を発表

ニューヨーク（ＣＮＮＭｏｎｅｙ）　ソフトウェア世界最大手の米マイクロソフトは１０日、インターネット電話サービス大手のスカイプ・テクノロジーズ（本社ルクセンブルク）を８５億ドルで買収する合意が成立したと発表した。

スカイプは現在、投資会社シルバーレイク率いるグループの傘下にある。買収後はマイクロソフトの事業部門となり、部門トップには現スカイプ最高経営責任者（ＣＥＯ）のトニー・ベイツ氏が就任する。

マイクロソフトはＯｆｆｉｃｅ、Ｗｉｎｄｏｗｓ　Ｐｈｏｎｅ、ゲーム機のＸｂｏｘといった主力製品に、スカイプの音声・ビデオ通信機能を組み込む計画。

今回の買収は、マイクロソフトにとって大きな戦略の転換を意味する。同社が他社を買収するのは２００６年以来。買収金額は同社史上最高額となる。

スカイプのブランドはインターネット通信業界に広く浸透しており、１日に６０万の新規ユーザーを獲得、年商は４０％増加しているという。

スカイプは昨年、上場申請を行ったが、実際の上場は先延ばしになり、先週になってマイクロソフトおよび交流サイト（ＳＮＳ）大手の米フェイスブックとの間で交渉中だとのうわさが浮上していた。

米グーグルなどの各社が相次いで競合製品を打ち出し、ＰＣがスマートフォンに取って代わられる中、マイクロソフトのコンシューマー事業はここ数年、苦戦続きだった。投資家の間では、マイクロソフトがさらなる買収に出るかもしれないとの憶測も浮上、候補として携帯端末「ブラックベリー」を手掛けるカナダのリサーチ・イン・モーションなどの名が取りざたされている。

2011年05月11日 CNN